2010/12/1 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、国内輸出企業からのドル売りに押されじりじりと値を崩す中、中国紙が「インフレ抑制のためには2%の利上げが必要」と報じると中国の早期金融引き締め観測を背景に中国株が大幅下落し、リスク回避志向が強まったため円買いが優勢となった。更に、欧州の債務問題がポルトガルやスペインといった南欧諸国でも再燃するとの観測からユーロ円を主導に円が独歩高の展開となり83.723円まで下落した。その後、一旦持ち直す場面も見られたが、時間外の米株価指数が下げ幅を拡大した他、カナダ四半期GDPが予想を下回ったことによるカナダ円の下落がクロス円の下落に拍車をかけたため再度下値試しとなり83.422円まで下げ幅を拡大した。米国時間に発表された経済指標においては、ケース・シラー住宅価格指数が予想を下回ったものの影響は限定的、シカゴ購買部協会景気指数・消費者信頼感指数の強い結果を受けて米国株が下げ幅を縮小したことからリスク回避の動きが弱まり、徐々に下値を切り上げる展開となった。ユーロ円の下落に連れ安となった格好だが、引けにかけては自律的な反発もあり83.650円まで値を戻して取引を終えた。

ユーロ円は、序盤こそ堅調に推移していたが、中国の利上げ観測に伴う株安によってリスク回避の動きが強まると下値をうかがう展開となった。アイルランドの債務問題が明るみに出て以降、スペインやポルトガルとドイツ国債の利回りスプレッドが拡大の一途を辿っており、イタリアの利回りまでも拡大している。更に「大手格付け会社がフランスの格付け見通しを引き下げる」との噂が流れるとユーロ売りが強まり108.342円まで下落した。引け間際には格付け会社S&Pがポルトガルの長・短期格付け引き下げの可能性を示唆する等、ユーロ圏の悪材料が日増しに増加しており底が見えない状況のまま108.640円で取引を終えた。


本日の展開


本日のドル円は、ユーロの動向に大きな影響を受けそうだ。市場はユーロ圏の債務問題に注目しており、リスク資産圧縮の動きから比較的安全資産と見られている円が買われやすい傾向にあるため、昨日同様ユーロ円主導の展開もあるかもしれない。ただし、米国時間にあたる21時から0時には立て続けに経済指標の発表が予定されているため警戒が必要となろう。いずれも注目度は高いものの、その中でもISN製造業景況指数・ADP雇用統計・ベージュブックには注意を払いたい。毎月の恒例行事ではあるが、月の第一週は米公式雇用統計をはじめ、過去に大きな変動をもたらした経済指標が相次ぐため、結果が予想と大きくかい離した場合、ボラティリティの拡大が見込まれる。そのため、テクニカルポイントに注意を払いつつ、発表毎の柔軟が対応が必要となりそうだ。

ユーロ円は、ユーロ圏諸国の債務懸念が引き続き重しとなっている。昨日はスペインの10年物国債利回りが急上昇しており、今後もスペインの動向には注意が必要となりそうだ。アイルランドやポルトガルと比べスペインの財政規模が大きいことからスペインが救済を求めた場合、資金手立てのめどが付かないのでは?との見方もある。また、ドイツに続くユーロ圏の屋台骨であるフランスまで格下げの噂が流れる等、ユーロ圏の悪材料を探すと枚挙にいとまがないため、本日も下値試しの展開が予想される。テクニカルでのサポートとなっていた一目均衡表日足雲下限、週足基準線を完全に下抜けており、下方向には目立ったサポートラインが見当たらないため、9月8日直近安値105.791円をターゲットとした下降トレンド入りの展開も想定しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.70-84.60
ユーロ・円 106.00-109.50
ポンド・円 128.00-132.00

【今日の主な経済指標】

09:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)
16:00 GBP ネーションワイド住宅価格
16:00 DEM 小売売上高指数
17:30 CHF SVME購買部協会景気指数
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD チャレンジャー人員削減数
22:15 USD ADP雇用統計
22:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値
00:00 USD ISM製造業景況指数
00:00 USD 建設支出[前月比]
04:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

≪2010年11月30日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
上昇トレンドは継続しており「ブル」継続となった。下値を一目均衡表日足基準線に支
えられているが、米経済指標の結果が悪かった場合は11月23日安値82.781円までの下
落も想定しておきたい。反対に好結果となった場合は昨日高値84.294円が目先の上値
目標となり、上抜けた場合は9月17日直近高値85.926円が中期的なターゲットとなる
だろう。


ポンド円は「ブル」
ユーロ円に連れ安となったため割安感が高まり「ブル」の比率は8割近くに達している。
一目均衡表日足雲下限に支えられ値を戻しているが、ポンド独自の買い材料が乏しい中
で円が買われやすい状況にあることから、引き続き下値をうかがう展開が予想される。


豪ドル円は「ブル」
3日続落となり割安感から「ブル」の比率は9割を回復している。価格自体は値崩れして
いるが、昨日発表された豪住宅建設許可件数が(予想:1.4%、結果:9.3%)と予想を
大きく上回り、豪国内経済の力強さを改めて認識するかたちとなった。ユーロを主導と
したリスク回避の動きから当面は上値の重い展開となるかもしれないが、リスク志向が
回復した場合は再度脚光を浴びる通貨ペアとなるかもしれない。


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