2010/11/30 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、アイルランド支援承認の報を受けてドルが対ユーロで値を崩したため相対的にドル売りが強まり83.82円まで下落。しかし、ユーロ買いが一服し、再度ユーロ圏財政懸念が蒸し返されると安全資産としてのドル買いが優勢となり上昇に転じた。さらに財政懸念が強まっているスペインやポルトガルのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が過去最大まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが一段と強まり、ドル円も連れる形で84.402円まで値を伸ばした。その後は主要な経済指標の発表もなく材料に乏しい中で着実に高値・安値を切り上げており、更なる上昇期待を抱えたまま84.281円で取引を終えた。

ユーロ円は、28日(日本時間29日未明)に欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が、財政問題で打撃を受けているアイルランドに850億ユーロ(1,150億ドル)の緊急支援策を承認したことが好感され、上方向へ窓を開けて111.628円から始まった。しかし、支援の承認はほぼ織り込み済みだったことに加え、財政懸念がスペインやポルトガルへ波及するのではとの見方から下値を試す展開となり110.885円まで値を崩した。その後、ラガルド仏財務相が「アイルランド支援の総額は十分」、ショイブレ独財務相、仏政府のスポークスマンが「ユーロを守る」といった発言をきっかけに反発すると、対ドルでの上昇にサポートされるかたちで111.545円まで値を伸ばした。しかし、ユーロ圏の財政懸念は根強く再び売りが優勢になると110.251円まで下落、弱地合いのまま110.585円で取引を終えた。


本日の展開


本日のドル円は、米国時間に発表される複数の経済指標に警戒が必要となるだろう。直近で発表された米住宅関連指標が予想を下回る結果となっており米住宅市場の低調さがうかがえるため、ケース・シラー住宅価格指数の下振れには注意が必要か。その後も消費者信頼感指数、バーナンキFRB議長の発言等が控えており、発表毎に上下に値が振れる可能性を秘めているため柔軟な対応を心掛けたい。一方、米韓合同の軍事演習が引き続き行われているため、北朝鮮の動向次第では地政学的リスクから円が売られる可能性も否定出来ない。テクニカルでは一目均衡表日足雲を上抜け後、転換線に加えて基準線も上向きとなり、先高感が強まっている。経済指標等の新規材料が好結果となった場合は9月17日直近高値85.926円をターゲットに上値を伸ばす展開も想定しておきたい。

ユーロ円は、アイルランドの支援が決定したものの、スペインやボルトガルといった多額の財政赤字を抱えている国へ債務危機が飛び火するのでは?との懸念が燻っているため弱含みの展開が予想される。財政赤字は短期間に解決出来るものではなく、仮に支援が決定しても同じユーロ圏諸国の負担が増加するため、結局根本的な解決には至っていない。一方、テクニカルでは110円台半ばに位置する一目均衡表日足雲下限・週足基準線がサポートラインとして意識されているが、下方向には目立ったサポートが見当たらないため、本日発表される独失業率・ユーロ圏消費者物価指数が予想を下回りユーロ売りが強まった場合、下げ足を早める展開も想定しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.40-85.30
ユーロ・円 109.00-111.50
ポンド・円 129.00-133.00

【今日の主な経済指標】

08:50 JPY 鉱工業生産・速報値[前月比]
09:01 GBP GFK消費者信頼感調査
09:30 AUD 住宅建設許可件数
09:30 AUD 経常収支
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
16:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
17:55 DEM 失業者数
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
19:00 EUR 失業率
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支
22:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:30 CAD 四半期国内総生産(GDP)
23:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
00:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)

≪2010年11月29日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
11月1日を起点にして1ヶ月に及ぶ上昇トレンドは継続しており、スタンスも変わらず「ブル」
となった。中期的には5月高値から11月安値まで約半年で14円下落しており、同下落に対する
38.2%戻しが85.874円、直近高値が85.926円となっているため、このまま悪材料が出なけれ
ば、85円後半までの上昇もあるかもしれない。


ポンド円は「ブル」
日足ベースでは同水準のクローズとなりスタンスも変わらず「ブル」を継続している。英景気
先行き不透明感からポンド自体の基調は弱いものの、対ユーロでの上昇がサポートとなってい
るため底割れには至っていない。また、地政学的リスクから円が買いづらいことも支援材料と
して意識されているため、ドルやユーロで大きな動きがなければ、このまま底堅い展開となる
かもしれない。


豪ドル円は「ブル」
「ブル」継続ではあるが、ブルの比率が僅かながらも減少しており下方向への警戒感がうかが
える。絶対的金利差から買い意欲の強い豪ドルも、金利先高観が後退していることに加え、リ
スク資産圧縮の動きが嫌気されているのかもしれない。日足では上値を切り下げ右肩下がりの
三角持合いを形成しているため、直近のサポートラインと意識されている80円台半ばを明確に
下抜けた場合、大きく値を崩す可能性も否定出来ないため下方向への警戒は怠れないだろう。


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