2010/11/17 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、約1ヵ月ぶりの高値となる83円超えを達成したNY市場の流れを引き継いで、東京市場序盤には83円台前半で底堅く推移したものの、本邦輸出企業の売りに上値を抑えられると83.00円を挟んで小動きとなった。その後、WSJ紙がFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン副議長のコメントとして「FRBが発表した米国債を追加的に買い入れる量的緩和第二弾はドル相場の押し下げを狙った措置ではない。」と述べたことや、ダドリーNY連銀総裁がCNBCとのインタビューの中で「6,000億ドルの国債買い入れは0.75%の利下げに相当」との見解を示したことが嫌気され一時82.849円へと軟化する場面がみられた。しかし欧州時間に移ると中国株安を受けて欧州・オセアニア通貨に対しリスク資産圧縮目的でドルが買われると、つれる格好で83円台を回復。NY時間ではブラード・セントルイス連銀総裁の「量的緩和第二弾の6,000億ドル全額は使わない可能性もある」との発言に米国債利回りが上昇、ドル円は一時10月5日以来の高値となる83.598円まで値を上げた。ただ、引けにかけ米国債利回りに調整が入った事や、クロス円が下落した影響で、一方的にドル高が進む状況にはならず83.285円で取引を終えた。

ユーロは欧州の債務問題を背景としたユーロ売りに加え、米金融緩和観測の後退を背景としたドル買いが活発化したNY市場の流れを引き継ぎ、東京市場で対ドルは1.3565付近へと下落し、対円も112.80円付近へと連れ安となった。欧州市場に移ると11月独景況感指数が市場予想を上回ったほか、米卸売物価指数が予想より弱い内容だったこともあってユーロドルは1.36ドル台半ばまで反発。しかしNY勢参加後は欧米株価が大幅に下落したためリスク回避のユーロ売りがでたことや、財政悪化懸念が強まっているアイルランドの支援を巡る思惑が交錯し、先行き不透明感が高まったことで売りが加速。さらに米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズがキプロス共和国の格付けを引き下げたことで節目の1.3500ドルを下抜けるとストップロスを誘発し1.34483ドルまで軟化した。対円はユーロドルが1.36ドル台半ばまで買い戻されたタイミングで一時113.436円のこの日高値を付けたものの、ダウ平均が200ドル超下落し投資家がリスクを取りにくくなるとの見方から円買い・ユーロ売りが強まると、一時112.263円まで下げ足を速めた。終値は対ドルが1.34877ドル、対円が112.346円。共に2日続落して取引を終えた。


本日の展開


FOMCが打ち出した量的緩和第二弾の6,000億ドル国債買い入れプログラムはFOMC内でも効果を疑問視する声が聞こえはじめており、米経済指標が一定の回復を示せば買い入れを縮小する可能性があるとの見方が浮上してきた。国債買い入れプログラム縮小ムードを背景に、米10年債利回りは3ヶ月ぶりに2.9%台を回復しており、仮に大台の3%に乗せる展開となれば、本日もドルの堅調な地合いは継続しそうだ。また、IMM通貨先物の取組み(11月16日発表)を見ると、全般にドルショートは縮小しているものの、円ロングは約36千枚とまだまだポジションは残っており、来週木曜日は米感謝祭が控えていることから今週末にかけて駆け込み的なドルの買戻しが強まる可能性も考えられる。テクニカル面でドル円は75日移動平均がさしかかる83円ミドルが短期的なレジスタンスと考えられるが、日足一目均衡表の雲下限を終値ベースで上抜けた事で、同均衡表雲上限の84.20円付近まで上昇余地はありそうだ。

ユーロはアイルランド支援に対する不透明性が本日も足枷となりそうだ。ユンカー・ユーログループ議長は「ユーログループはアイルランドが支援を要請するのかどうか、待っている状況だ」とし、支援の用意と意思がある事を示したものの、フィンランドはアイルランド支援に反対したとのニュースも伝わるなど情報は錯綜。加えてオーストリア政府はギリシャ救済に二の足を踏んでいるとの報道が流れたことで、ギリシャソブリンリスクまで燻るなど先行きに対する不透明感が強まりそうだ。今後ユーログループが支援を渋れば利回り格差の拡大やユーロの売り浴びせで催促相場となる可能性が高く、支援を簡単に打ち出せば独仏など主要国の負担が膨らみ、こちらもユーロ売りの材料となりそうだ。また、ポルトガル財務省も「外部支援が必要となる可能性」と言い出している事も警戒しなければならず、当面は欧州要人による発言やソブリン問題に関連したニュースに一喜一憂する展開が続きそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-84.20
ユーロ・円 110.50-113.50
ポンド・円 129.50-133.50

【今日の主な経済指標】

14:00 JPY 景気一致指数(CI)
14:00 JPY 景気先行指数(CI)
18:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
18:30 GBP 失業率
18:30 GBP 失業保険申請件数
18:30 ZAR 小売売上高
19:00 EUR 建設支出
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
22:30 USD 消費者物価指数(CPI)
22:30 USD 住宅着工件数
22:30 USD 建設許可件数
22:30 USD 消費者物価指数(CPI)
06:45 NZD 四半期卸売物価指数(PPI)

≪2010年11月16日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
FRBの量的緩和縮小観測や米国債利回りの上昇を背景に「ブル」は継続したものの、
高値警戒感から約40%の参加者がショートポジションに移行している。83.00円付
近にあった本邦輸出企業のドル売りオーダーもこなし、今月初旬に示現した年初来
安値の半値戻しである83.10円付近も突破したこともテクニカル的な地合いといえ
堅調推移が期待できる。ただ、多くの参加者が高値警戒感を示すようにここ数日の
ドル高はポジション調整の域を超えておらず、今週に入ってからの米金利上昇のス
ピードが速いため、米金利上昇に一旦調整が入る可能性も否めない。深追いを避け
つつ慎重に押し目を探すのもいいだろう。


ポンド円は「ベア」
昨日は英10月消費者物価指数と小売物価指数が発表された。事前予想と比べ消費者
物価指数は好結果だったものの、小売物価指数は悪化し、好悪入り混じった結果と
なったが、事前に結果が弱くなるとの思惑からポンド売りを進めていた向きが少な
くなかったようで、指標発表後に急速な買い戻しにつながり「ブル」となった。テ
クニカル的には日足一目均衡表で132.75円付近を上抜ければ三役好転となり、同水
準を明確に超えてくると9月17日高値135.047円が視野に入ってこよう。


豪ドル円は「ブル」
豪準備銀行の金融政策委員会が発表した11月議事録の内容は「景気拡大・インフレ
上昇見通しを考慮すれば小幅な引き締めが賢明」「労働市場は失業率が示唆するほ
どひっ迫していない」など内容が示されたものの、金利引き上げに直接結びつく内
容とならなかった。参加者は金利差を背景とした「強気」スタンスに変化はないが、
シカゴIMM通貨先物の取組高では投機筋の豪ドルのロング・ポジションは減少して
おらず、手仕舞い売りが強まる可能性も否めない。また、アイルランド救済を巡る
不透明感が払拭できない上、上海株が1ヶ月ぶりの安値を更新しており、リスク回避
の流れから資源国通貨にとって逆風となりそうだ。


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