2010/11/16 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、東京市場序盤、5・10日仲値でのドル買い需要に加え、本邦第3四半期GDPが前期比+0.9%、前期比年率+3.9%と共に予想から上振れしたことを受けて、日経平均が堅調な値動きとなるなどリスク回避ムードの後退による円売りが強まったことから82.70円付近へと上昇。その後も、米WSJ紙電子版に米共和党系の有力エコノミストらが「FRBの大規模な米国債購入プログラムを再検討、もしくは縮小させるべき」との認識を示したことを背景に、米国債利回りが上昇するなど日米金利差が拡大したことも追い風となり、欧州市場序盤には一時82.95円付近まで続伸した。NY勢参加後も米商務省が発表した10月小売売上高は1.2%と市場の事前予想(0.7%)を大きく上回り、2010年3月(2.1%)以来最大の伸び率を記録すると心理的節目である83円を上抜けた。引けにかけ、NY製造業景気指数が予想より弱い内容となったことが嫌気され一時83円を割れる場面もあったが、米長期金利が上昇幅を広げると堅調に推移し5営業日続伸の83.176円で取引を終えた。

ユーロ円は、東京市場で本邦第3四半期GDP・1次速報値の上振れを好感した日経平均の上昇のほか、GLOBEXのNYダウ先物の上げ幅拡大を背景にリスク回避ムードが後退したことから113.60円付近へと上昇した。しかし、その後英FT紙が「アイルランド政府関係者はEU(欧州連合)に対して金融支援を要請していない」と報じると債務懸念を嫌気したユーロ売りが優勢となり、113.05円付近へと反落する展開となった。さらに欧州時間ではアイリッシュ・インディペンデント紙が「アイルランドは同国の銀行支援のためEU(欧州連合)の資金を求めることを検討している」と報じたほか、ポルトガル外務相が地元紙に「ポルトガル、EU脱退に直面する可能性も」と発言したことが伝わると、ユーロは対ドルを中心に急落、つられて112.70円付近まで続落した。NY時間でもコンスタンシオ欧州中央銀行副総裁が「ギリシャは2011年財政目標を達成するためにさらなる措置が必要となる」と述べたことや、ドスサントス・ポルトガル財務相がFT紙とのインタビューで「ポルトガルが支援を必要とするリスクは高い」と発言したことが売り材料とされ、引けにかけ安値圏でもみ合いが続き112.992円で取引を終えた。


本日の展開


本日の展開だが、米量的緩和第三弾を巡る思惑が後退し、FRBの米国債買い入れ規模縮小の見方も一部で浮上している中、米国債利回りが一段と上昇する可能性があるだろう。ドル円では79.750円の史上最安値が遠のいた上、ヘッジファンドの11月末決算やクリスマス休暇、さらにシカゴIMM通貨先物の取組高は大量の円ロングとユーロロングのポジションを抱えており、ドルのショート・ポジションを巻き戻す動きが考えられ下落局面では押し目買いを検討してみたい。テクニカル面では11月1日に付けた80.239円をボトム(底)とした逆ヘッドアンドショルダーが形成され、日足一目均衡表では遅行スパンが好転、加えて転換線と基準線もゴールデンクロスを達成しており、上値ターゲットは雲下限が位置する83.30円付近から雲上限の84円台を試す可能性も考えられる。

ユーロはアイルランドなど欧州PIIGS諸国の信用不安が再燃しており、本日も下値を試す展開が予想される。アイルランド当局は支援要請を否定しているものの、「アイルランドがEUの支援下に入り、800億ユーロ程度の支援を受ける」との内容が広まっているほか、英BBC電子版が「アイルランドが金融支援に関してEU当局者と予備的な協議。融資額は600億−800億ユーロ」「EUによるアイルランド救済合意は来月にも実施される可能性」などアイルランドを巡る情報が交錯しており不透明感が漂っている。また、ドイツではユーロの劣等生であるアイルランドに税金を使うことには強い抵抗があり、メルケル独首相は支援には消極的な態度を示すなど欧州各国の足並みは揃っていない。アイルランドがこのままデフォルト、債務再編になるとは考えにくいが、ギリシャ危機の時のように救済をめぐる協議に時間がかかれば、救済策の催促相場で利回り格差やCDSが急拡大し、ユーロ売り・ドル買い・円買いが強まる公算が高くなりそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-84.00
ユーロ・円 111.50-113.50
ポンド・円 130.50-133.50

【今日の主な経済指標】
16:45 FRF 非農業部門雇用者
18:30 GBP 消費者物価指数
18:30 GBP 消費者物価指数
18:30 GBP 小売物価指数
19:00 EUR 消費者物価指数
19:00 EUR ZEW景況感調査
19:00 DEM ZEW景況感調査
19:30 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
22:30 CAD 製造業出荷
22:30 USD 卸売物価指数
23:00 USD 対米証券投資
23:15 USD 鉱工業生産
23:15 USD 設備稼働率
00:00 USD NAHB住宅市場指数

≪2010年11月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ベア」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米量的緩和第三弾後退に加え、現行の米量的緩和第二弾縮小もくすぶる中、ラッカー・
リッチモンド連銀総裁が「量的緩和第二弾のリスクはメリットより大きい」との見解を
示したこで米国債利回りが上昇、「ブル」が継続された。米景気回復に対する過度な悲
観が後退しつつあることに加えて、今年5月に付けた95円付近からのダウントレンドも
上方ブレイクしつつあり、テクニカル面からも買い戻し機運が強まりそうだ。また、中
国の10月消費者物価指数が+4.4%となり、9月から上昇が加速し中国当局が目標とする
年間3%のインフレ率を達成できなくなるとの憶測が強まっている。中国が年内の金融
引き締めに動けばリスク回避を背景としたドル買いも期待できそうだ。


ポンド円は「ベア」
英ライトムーブ住宅価格が前月比-3.2%と前回の同+3.1%から大幅に落ち込んだことが
マイナス要因となり「ベア」が続いている。しかし本日は10月の消費者物価指数が発表
予定で、予想は前月比+0.2%と前回の0.0%から上昇、前年比でも+3.1%が予想される
など上振れすると見込まれている。英国は景気に対する楽観的な見通しが浮上し、追加
緩和観測が後退していることからポンドは比較的底堅い値動きとなろうか。また、欧州
の信用不安を背景にユーロからポンドに乗り換える動きも強まっており、対ユーロでも
バイアスは強気と考えられる。


豪ドル円は「ブル」
金・原油相場の軟調推移を背景に資源国売りの動きも見られが、NYダウを始め堅調な
株価からリスク選好の地合いとなり、かろうじて「ブル」となっている。しかし、欧州
PIIGSの信用不安を背景としたリスク回避ムードや、中国の利上げ観測を背景としたコ
モディティ価格の下落を背景に買い難い局面といえようか。また、ヘッジファンドの決
算やクリスマス休暇を控えてポジション巻き戻し圧力も強まっており、対ドルを中心に
下押し圧力が続くと見るのが基本スタンスと思われる。


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