2010/11/12 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、日本の9月機械受注が前月比-10.3%と予想の同-9.5%を下回り、10月国内企業物価指数では前年比+0.9%と予想の同+0.5%を上回るまちまちの結果となり、市場での反応は限定され東京市場序盤から82.20円を中心に動意の乏しい展開となった。その後は豪10月失業率が市場予想を下回ったものの(予想:5.0% 結果:5.4%)中国の CPI(消費者物価指数)の発表を受けたオセアニア通貨の買い戻しが入ると、対ドルで豪ドルが買われたことが波及しドル円は82.05円付近へと下げ幅を拡大した。しかし、欧州勢参加後にガイトナー米財務長官が「米国は経済成長のためにドル安を求めることは決してない」と発言したことが好感され82.25円付近へと値を戻した。その後欧州時間では、米国の債券・為替市場がベテランズ・デーの祝日で休場だったほか、20カ国・地域(G20)首脳会議が開催されていることから、全般的に様子見ムードが強く動意は見られなかった。ただしNY時間に入ると、82.50円付近に観測されていた輸出企業などからの売り注文をこなし、一時82.604円まで上値を拡大する場面もみられた。引けにかけやや反落したものの、82.498円で3日続伸して取引を終えた。

ユーロは序盤GLOBEXのNYダウ先物が大幅に下落するなどリスク回避の動きが優勢となったことを受けて、オセアニア時間に対ドルは1.3755付近、対円も113.10円付近まで下押しするスタートとなった。その後はNYダウ先物が下げ幅を縮小したほか、米ムーディーズが中国の格付けを引き上げたことをきっかけにリスク選好のドル売りが強まり、東京市場中盤に対ドルは1.3820付近、対円も113.45円付近まで小幅に上昇。しかし、欧州序盤では対ポンドなどでユーロ売りが強まったことも影響したほか、GLOBEXのNYダウ先物が再び下げ幅を拡大したこともあり、1.3760付近まで下値を拡大した。一方、対円は113.35円前後でこう着状態となった。欧州時間中盤に入ると仏・米・加が祝日ということもあり流動性が低下する中、PIIGSの債務状況への懸念や、ロンドンの清算機関LHCが「アイルランド国債のヘアカットを15%引き上げる」と発表したことが引続きユーロの重石となり対ドルは1.3750付近、対円は113.00円を割れる水準まで下値を拡大した。NY時間もユーロが引き続き軟調に推移、シュタルクECB(欧州中銀)専務理事は「ユーロ圏内で不均衡が進行している」と懸念を表明したことや、NYダウの下落を背景としたリスク回避の流れが重なり112.748円まで下落して取引を終えた。

                      本日の展開

韓国で開催されているG20で現在のところ政策面で具体的な合意は見られず本日の結果待ちといったところだが、メルケル独首相はオバマ大統領にFRBの追加緩和に関しての懸念を表明するなど短期的には行き過ぎたドル安に一定の歯止めがかかると予測することもできよう。テクニカル面で見ると、ドル円は3日続伸となった反動から調整的な売りが強まる可能性はあるものの、10月上旬以来の強固な抵抗帯82.00円をブレイクしたことでモメンタムも強いとみられ底堅い推移が予測される。上値は日足一目均衡表の先行スパンが横たわる83.50円付近から84.50円付近を次の目標としてみたい。

ユーロは引き続き欧州PIIGS諸国の財政懸念を背景に下値がぜい弱となりそうだ。ロンドンの清算機関LCHがアイルランド国債のヘアカットを15%引き上げると発表し、10年物国債利回りが8%台で推移する状況の中、同国の資金調達がますます困難になると予想され、来年にはIMFに支援を要請するのではといった憶測もでている。その上米国債利回りの上昇を受けてドルのショートポジションの巻き戻し圧力も強まっており、流れはユーロ売り・ドル買いとなろうか。なお、トリシェECB総裁は「強いドルは米国、ユーロ圏の利益。強いドルは国際社会の利益にかなうだろう」と発言しており、G20でドル安批判が加速する可能性もある。G20関連のニュースはタイミングに関係なく出てくることもあり、突発的な動きに警戒を強めておきたいところだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.50-83.10
ユーロ・円 111.50-113.50
ポンド・円 130.50-133.50

【今日の主な経済指標】
16:00 DEM 国内総生産
19:00 EUR 四半期域内総生産
19:00 EUR 鉱工業生産
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数

≪2010年11月11日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ベア」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
欧州債務問題を背景としたリスク回避に加え、一連の底堅い米経済指標結果などから「ブル」が継続している。今週に入り市場のセンチメントは大きく改善しており底堅い推移が予想されるが、来年の6月までFRBによる米国債の買い入れに伴う量的緩和が進行することを鑑みるとショートのポジション調整が終われば再びドル売りのポジションが積みあがる可能性もあり、ロング深追いには注意したい。

ポンド円は「ベア」
米休日の影響で静観する参加者が多く見られたが、上昇局面では逆張り系の売りが若干優勢で「ベア」が継続した。米追加金融緩和を背景としたドル独歩安局面は一服しているものの、英国の景気・インフレ見通しが上向いているほか、英追加金融緩和の可能性が大幅に後退していることから、ポンド自体の地合いは改善しているだろう。また、欧州PIIGS諸国の信用不安を背景にユーロからの資金シフトも強まっている。対ドル、対ユーロ、対円ともに下値を切り上げる展開となろうか

豪ドル円は「ブル」
豪雇用統計で失業率が5.4%と予想の5.0%を大幅に上回る悪化となったことで売りが優勢の場面もあったが、米ムーディーズが中国の格付けを「Aa3」に引き上げ、見通しを「ポジティブ」と発表したことを受け、参加者もリスク選好の流れから「ブル」となっている。豪雇用統計では、失業率は上昇したものの、新規雇用者数は力強い伸びを示しており、豪準備銀行の追加利上げが遠のいたと考えるには時期尚早といえよう。また、日米の実質ゼロ金利の長期化観測や株価堅調・ボラティリティ低下を受けてキャリートレード意欲も高まっており、引き続き上値を模索する展開となろうか。

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