2010/11/9 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、材料難のなか先週末の米10月雇用統計の好結果からドルが戻り売り優勢の展開となり、一時81.15円付近へと軟調に推移した。その後はG20(20カ国・地域首脳会議)を控えたポジション調整に一時81.40円付近へと上値を拡大する場面もみられたが、欧州の債務不安やオセアニア通貨の急落を背景にクロス円が下落したことで欧州市場には81.20円付近に小幅に軟化した。NY時間に入っても、米経済指標の発表がなかったことなどから積極的なポジション形成の動きは手控えられ、方向感を探る展開となり81円台で膠着が続いた。引けにかけブラード米セントルイス連銀総裁、ホーニッグ米カンザスシティー連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁などの発言が相次いで伝わったものの、こちらも市場への反応は薄く、結局前日比-0.164円の81.181円で取引を終え動意の少ない一日となった。

ユーロ円はパパンドレウ・ギリシャ首相率いる全ギリシャ社会主義運動が地方選挙で優勢を維持しているとの報道が好感され、東京市場序盤は114.30円付近へと堅調に推移した。しかしその後は欧州の債務不安が材料視されると、次第にユーロ売り主導の展開となり、ストップロスを巻き込みつつ113.00円付近まで急落した。欧州市場中盤では113円前半に押し目買いやショートカバーが散見し113.40円付近まで小幅に反発する場面も見られたが、9月独鉱工業生産指数が市場予想を下回ったことや、原油など商品相場の下落を理由に円が買い戻されて一時112.663円まで下値を拡大した。NY勢参加後もNYダウ下落を背景としたリスク回避の展開や、欧州財政問題を意識した戻りを売りが上値を抑え113.014円で取引を終えた。

本日の展開


本日のドル円だが、FOMCや米雇用統計といった重要イベントを通過し、ドル独歩安の流れもひとまず一服となろうか。また今週は木、金曜日に韓国・ソウルで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、米金融緩和を背景としたドル安懸念が共有される可能性があり、ドルは全般的に売り込みづらいムードとなりそうだ。ただし、トヨタやソニーといった本邦輸出企業は採算レートの下方修正に踏み切っており、82.00円付近にかけては売りオーダーが厚いと考えられる。また、FRBの米国債買い入れ期待により米国債利回りが低下する可能性がある一方、日銀は資産買入基金による国債の買い入れを進めると発表しているが、規模は5兆円とFRBの量的緩和策と比べて小さく、円高抑止効果には疑問が残る。加えて今月は四半期ごとの米国債償還・利払いの月に当たることから、円転圧力も強まる可能性もあり、81円台後半へ上昇する局面では戻り売りを検討してみたい。

ユーロはトリシェECB総裁が「非標準的な措置というのは一時的なもの、緊急支援措置の段階的な解除が可能かどうか12月に決定する」などと「出口戦略」に向けた取り組みを示唆しており日米金融政策の方向性の差が明確になっている点から対円、対ドル共にユーロの支援材料となるだろう。しかし、一連のイベントを無事消化したことから市場での焦点が再び欧州の悪材料に戻る可能性も否定できず、欧州PIIGS諸国の国債利回りや、それらの独連邦債に対する上
乗せ金利を注視しなければならないだろう。また、現段階では欧州の当局者からはユーロ高を強くけん制する発言はみられないが、仮にこうした発言が出てきた場合には対ドルを中心に調整が進む可能性もあろう。基本的にユーロは買い方針で臨みたいが、欧州ソブリン・リスクや欧州当局者の発言には注意が必要となろう。

[今日の予想レンジ]
米ドル円 80.00-82.00
ユーロ円 111.50-114.00
ポンド円 129.50-132.50

【今日の主な経済指標】

14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
15:45 CHF スイスSECO消費者信頼感指数
16:00 DEM 消費者物価指数
16:45 FRF 財政収支
16:45 FRF 貿易収支
18:30 GBP 貿易収支
18:30 GBP 鉱工業生産指数
18:30 GBP 製造業生産指数
22:30 CAD 新築住宅価格指数
00:00 USD 卸売在庫

≪2010年11月8日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米雇用統計の大幅上振れを受けて米国債利回りが上昇すると共にドルの買い戻しが
活発化した先週金曜日の地合いを引き継ぐ形で「ブル」に変化はなかった。米10月
雇用統計では、民間部門の雇用増が貢献し、非農業部門雇用者数は今年5月以来の
雇用増となる前月比+15.1万人と予想を大幅に上回るなど、急激なドル安にもひと
まず歯止めをかける内容となっている。しかし、米量的緩和策を背景とした米国債
利回りの低下が一段と進行する可能性も高いと思われ、ショートカバーが一巡した
後は、ドル安がいつ再開してもおかしくはないだろう。


ポンド円は「ブル」
先週のFOMCや、雇用統計等ビックイベントが終了したことで、新規取引材料に乏
しく全般的に小動きとはなったものの、英国の景気が予想ほど悪くないとの見方か
ら「ブル」となった。今週のポンドは四半期インフレ報告を睨んでの動きとなりそ
うだ。英国で戦後最大の歳出削減策が進められている中で発表された第3四半期の
GDPは予想外に強い伸びを記録し、英国で早期の追加緩和が取られるとの憶測はい
ったん後退しており、売りづらいムードとなりそうだ。また、欧州PIIGS諸国のソ
ブリン・リスクが再燃した場合は、ユーロからポンドへの逃避がさらに進む可能性
も考えられる。


豪ドル円は「ブル」
日経平均や上海株が堅調に推移するなど株高連鎖を受けたリスク選好の流れから下
値は堅く、参加者のポジションも「ブル」となっている。先週実施されたRBA(豪
中銀)理事会での予想外の政策金利の引き上げに加え、声明内容にもタカ派色を残
すなど追加利上げ期待が高まる中で、堅調な中国経済や、資源価格の上昇といった
外部サポート要因もあり、多少の調整局面はあるにせよ豪ドルの上昇圧力は高まる
のではないかと思われる。


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