2010/10/15 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日ドル円は、オセアニア市場から米追加金融緩和観測によるドル売りの流れから81円台後半で推移していたものの、東京市場に入りシンガポール通貨庁がシンガポールドルの許容変動幅を拡大することを発表。事実上のシンガポールドルの切り上げを受けて、対シンガポールドルでドルが急落したことをきっかけに主要通貨でもドル売りが活発化すると、81.45円付近へと下落した。さらに欧州勢参加後も欧州株が堅調に始まり、GLOBEXのNYダウ先物も一段高となるなかリスク選好のドル売りが強まり、一時80.888円まで安値を更新した。その後は81円割れの水準で押し目買いが入ったほか、短期で売り進めた参加者からの利益確定の買い戻しも入った上、菅直人首相も「どうしてもという場合は断固たる措置をとる」と発言した事で81.50円付近まで反発。NY時間では米貿易収支が463億ドルの赤字となって予想よりも赤字額が大きかったことや、新規失業保険申請件数は46万2000件と予想より弱い結果となったことで81.30円付近まで軟化。しかし、引けにかけ30年債入札が不調だったため、米中長期債価格は下落し、米国債利回は上昇。金利差が意識され81.459円へ小幅回復して取引を終えた。

ユーロドルは欧米間の金融政策見通しの格差から、ユーロ買い・ドル売りが優勢となったNY市場の地合いを東京市場でも引き継ぐ中、シンガポールドルの許容変動幅拡大をきっかけにドルが全面安となった。さらに欧州株やGLOBEXのNYダウ先物の堅調推移を受けて、欧州市場序盤には一時1.4125ドル付近まで上昇し1月以来の高値を更新。ユーロ円は日経平均やGLOBEXにおけるNYダウ先物の堅調推移を受けたリスク選好ムードの高まりもあり、東京市場に一時114.65円付近へと強含む展開となった。その後はドル円の下落に足を引っ張られた上、GLOBEXのNYダウ先物や欧州株の上昇が一服したこともあり、欧州市場には114.20円付近まで押し戻された。NY勢参加後は急ピッチでユーロ高・ドル安が進んだ反動で、利益確定の売りが出たほか、1.4125ドルのオプションバリアに上値を抑えられ1.40827ドルで取引を終えた。ユーロ円は引けにかけ、NYダウが反発したことでリスクが選好し114.713円まで回復して取引を終えた。


本日の展開


ドルは対加ドルが半年ぶりにパリティ(等価)を割れたほか、対豪ドルも一時0.9993ドルへと史上最高値を更新しパリティ寸前まで水準を上げてきている。米国の追加金融緩和観測は、下落材料としてはほぼ消化されているようにも考えられるが、特定の材料に反応しているというよりは売りが売りを呼ぶ展開となっており、投機的な売り仕掛けに警戒したい。

ドル円も米国の対中貿易赤字が拡大したことで、人民元切り上げ圧力の拡大からアジア通貨高の影響で円高地合いが一層強まる可能性も考えられる。また、野田財務相は「為替の動きを注意深く見守っていく」と発言したものの、今まで繰り返してきた「断固たる措置」の言葉が抜け、更には「中国を含む新興国、為替の柔軟化へ改革を」と述べ、中国を槍玉に挙げることで逃げ腰の状態だ。再介入に懐疑的見方が広まる中、じりじりと歴史的な安値圏である79円台後半を目指す可能性が高まっている。テクニカル面では行き過ぎの度合いを測るRSIでは、既に売られすぎ状態にあるため短期的な買い戻しも期待されるが、反発局面では売り圧力が高まると考えられる。

ユーロは次回11月2・3日のFOMCでの追加金融緩和観測を背景に、再びドルの下落余地を試す展開となってきたと考えられる。株高を受けてリスク選好も高まっており、低金利のドルと円が売られやすい局面といえよう。また、ECBが日米より早く出口戦略を推し進めるとの見方や、アジア中銀が外貨準備を分散投資するとの見方を背景に、ユーロ自体の地合いも好転しつつある。しかし、対円では欧州要人からはユーロ高を牽制する発言も散見されており、ドル円の下げにも上値を抑えられやすい状況から一本調子には買い進みづらいだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-82.00
ユーロ・円 113.00-115.50
ポンド・円 127.60-132.50

【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 鉱工業生産
18:00 EUR 消費者物価指数
18:00 EUR 貿易収支
21:30 CAD 製造業出荷
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 USD 小売売上高
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
23:00 USD 企業在庫
03:00 USD 月次財政収支

≪2010年10月14日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
主要通貨に対するドル売り圧力が進展し一時80.888円まで下落、1995年4月19日
以来15年半ぶりに80円台をつけ歴史的安値の更新から「ブル」が継続した。しか
し、総体的な動きを示すドル・インデックスも一時、年初来安値を下回り76.25ま
で下落し、重要な下値抵抗線である75.00台前半への下値トライの可能性を考慮す
ると、80円割れの展開は想定しておく必要がありそうだ。


ポンド円は「ブル」
センタンス英中銀金融政策委員が「緩やかな利上げは景気回復を阻害しないだろう」
と利上げを支持する発言が引続き意識されて「ブル」となった。英中銀金融政策委
員会では金融緩和支持が多数派とみられ、利上げより量的緩和再開の可能性が高く
深追いは避けたいところだ。


豪ドル円は「ブル」
シンガポールドルの許容変動幅拡大を受けてドル売りが強まった上、ドルの代替資
産として買われたNY金が史上最高値を更新するなど商品高を受けたリスク選好ムー
ドも追い風となり「ブル」が継続した。米追加金融緩和観測を背景としたドルの価
値希薄化懸念によって、金や原油など実物資産が一段と上昇しており、資源国通貨
にも買いが入りやすい地合いであろう。対ドルはオプションの防戦売りを吸収し、
いよいよ変動相場制移行前の1982年以来初めてとなるパリティを試す展開となるか
注目される。


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